5歳からはじめた釣りも30年。
宮城県の畑田舎で生まれた私は、鮒釣りにはじまり渓流釣りなどなど淡水はひと通り経験。
12歳の頃にバスフィッシングと出会い、現在は仕事として釣りと向き合わせてもらってますが、まだまだチャレンジしたことがない釣りが沢山。
最近は、桧原湖のオフシーズンを利用してソルトウォーターフィッシングにも手を伸ばしていますが、今年は大船渡越喜来湾でのヤリイカ釣りにチャレンジ。
自身が生業としている釣り業界をもっと広い視野で見てみたい。自身のスキルの引き出しを増やす「トレーニング」も兼ねて。
もくじ
ヤリイカ釣りのタックルたち
イカメタルとは?
イカメタル初心者の私なので、熱く語るほどの知識もスキルもありませんが、今回チャレンジしてきた釣り「イカメタル」を簡単にご紹介。
先に言ってしまうと、ルアーフィッシングのように手元に伝わる「アタリ」がほぼありません。
竿先にでる僅かな変化を目で捉えて瞬時に掛ける釣りなので、常に集中していないといつまでたっても釣れない。
のっけからネガティブ発言ですが、逆を言えば、この難しさをモノにできた時の興奮と喜びは今までの釣りにはない感動でしたよ!!
なにより食べて美味しいですからね。
擬似餌のスッテ
このスッテには金属スッテ(鉛、タングステン)と浮きスッテの2種類があり、この2つを使って仕掛けが形成されています。いちから仕掛けを作る方もいるようですが、イカメタル専用の仕掛けが販売されているので、そちらを使うと非常に便利で簡単。
仕掛けの下に鉛スッテ、枝糸に浮きスッテを装着したら完成。
見た目は、バス釣りで言うダウンショットですね。
スッテにも色んなカラーがあるので、上下それぞれ違う色を装着して、その日その時のアタリカラーを見つける為の工夫も入れるといいようです。
リールとライン
リールはベイト、スピニング両方OKです。
お好みのスタイルで良いそうです。
ベイトリールを使う場合はカウンター付きがベスト。※状況によってイカの泳層が変わることから水深を合わせるため。
ちなみに、来期2020年にAbu Garciaからソルトフィッシング用(タイラバ、カレイ、カワハギ、イカなどなど)のカウンター付きリールが発売されます。操作も簡単で値段もお手頃なので、特に初〜中級者ににはオススメです。
ラインはPEの0.6号を基準に200m位巻いておくと安心。
※地域によっても異なりますが、深いところだと水深100m、浅ければ40m位を釣るようです。今回の釣り場は50mでした。
ロッド(これ超重要)
今回は同行者からタックルを一式貸していただいたのですか、イカメタル専用の竿も様々。
イカからの小さなあたりに反応出来るように穂先が柔らかいのが特徴。明確なアタリが出る場合もありますが、イカのアタリは非常に小さいことが多いので、ロッド全体でアタリを取るだけでなく、ティップに感じるアタリを自分の目で合わせる事も多いです。
繊細なアタリをしっかり取るためにも、他の釣りに比べてイカメタルはロッドが非常に重要。イカメタル専用ロッドを使うことで取れるアタリの数も増えてきます。
メーカーによっても竿の調子やコンセプトも微妙に違う。安く買えるネットでポチッも良いですが、実際にお店で色んな竿を触って曲げて、スタッフさんからアドバイスをもらうことも大切です。
失敗しない道具選びこそ釣果アップのポイント。
最近のAbu Garciaは餌釣りや多魚種の竿も販売しております。「オーシャンフィールド」というソルトブランドでイカメタル用の竿も発売しておりますのでチェックしてみてください。
バスフィッシングでも竿によって釣果に差がでることは多少はありますが、今回チャレンジしたイカメタルはアタリの出方が独特なので、バスフィッシング以上に竿の重要性を痛感。
誘う→アタリを出す→掛ける
この一連の動作の方法は共通しても、釣り人によって感覚と癖は人それぞれ。自分のリズムに合う竿の調子を選ぶと、より釣果が伸びると感じましたね。
難易度高めのイカメタル!
イカメタルの何が難しかったのか?
色んな釣りを経験してきたし、釣りを仕事にしている手前、そこそこは釣れるでしょ?
そう簡単に考えていましたが開始早々に大きな壁にぶつかりました。
では、何が難しかったのか?
それは「アタリの判別」。
イカメタルは、竿を煽ってスッテを動かしイカを誘う。そして、スッテの重さを竿先に感じながらゆっくり落としてアタリをとる釣り。
イカがスッテを抱く(喰いつく)とスッテの重さで曲がっている竿先が「フッ」と戻る。
これがヤリイカのアタリだそうですが、波のウネリによって竿先が微妙に動くため、イカなのか?ウネリなのか?の判別が非常につけにくい。
手当たり次第に竿先に出る変化を掛けにいきましたが、当日はイカの寄りも少なく、喰いも渋かったために、なかなか掛けられない・・・。
1杯を釣るまではどれがアタリなのかの確信が持てないため、周りはポツポツ釣れてるなか3時間何もなかったのは生地獄。
諦めずにあれこれ工夫しながら誘っていくと1杯目をGET。少しずつコツが掴めてきてからアタリの待ち方に気づいたんです。
普段、桧原湖で自分が船長としてガイド業を営ませていただいてますが「お客様の気持ちを知る」ためには最高の時間でした。
旬を食す
釣りの楽しみ方のもうひとつは食すこと。
刺身が美味と教わりましたがアニサキスが怖かったので、今回は炒め物。
マヨネーズ、醤油、ニンニクを少々で炒めていただきましたが、プリップリでめちゃめちゃ美味い!
お陰様でビールもはかどりましたね〜。
キャッチ&イート
至福のひとときですね。
大船渡の越喜来湾イカ釣りが熱い!!
今回お世話になったのは、岩手県大船渡/越喜来・小石浜を拠点とする龍神丸さん。
15時出船21時あがりの6時間出船。
船長さんも親切丁寧で気持ちの良い方でした。
私が行ったタイミングは難しい時だったようですが、今がちょうどピーク!!
最近は初心者でも40杯釣れるほど調子が上がってきたようですね。
1月中旬あたりまでは釣れるようなので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。
白鳥的船酔いしない薬の飲み方。
実はわたくしは船酔い体質・・・。
普段自分がボートを操船してガイドをやっているのに不思議ですよね(笑)
と言うのも、淡水と海水では波のピッチ(ウネリ)が全く別物です。
淡水は平気ですが海水での船はめっぽうダメ。
酔い止め薬を飲めば大丈夫では?
そう思っていましたが、ダメな人は薬を飲んでも酔います。
現に薬を飲んでも酔ったことがあります。
◆酔い止め薬を飲むタイミングが重要
私は、とある漁師さんから教わった薬の飲み方を実践するようになってからは船酔いがゼロ。
2回に分けて飲む。
「船に乗る前日の就寝前」
「船に乗る1時間〜30分前」
理由はわかりませんが、この2度飲みを実践してからは一度も酔ったことがありません。
※あくまで、海の男に教わった裏ワザ的な対処法です。個人の体験談ですので関心のある方は試してみて下さい。
薬云々の前に大切なこともあります。
「前日の飲酒」「十分な睡眠」「しっかりと食べる」
薬に頼る前に基本的なことは実践してくださいね。
釣りのスキル以上に良い経験
イカメタルによるヤリイカ釣り。
ちょっとした違いで釣果に差がでる。
バスフィッシングもそうですが、悔しい面でもあり、これが釣りの楽しさと奥深さなんですよね。
自身のトレーニングにもなったし、ガイドのお客様の目線に立って釣りをする良い機会にもなりました。
ご自身が拘る釣りのみを極めるのも釣りだし、ジャンルに囚われず色んな釣りものを楽しむのも釣り。
楽しみ方は皆自由!!