Abuのスピニング MGXtremeと MGX Θ シータの進化の違い

Abuのスピニング MGXtremeと MGX Θ シータの進化の違い

前回、AbuのスピニングREVO MGX THETA (レボ エムジーエックス シータ)の新構造(フリクションフリー)がもたらすリーリングの軽さの優位性を書かせていただきましたが、今回は横浜釣りフェスティバルでの接客中に遭遇した『誤解』ついて。

Abuスピニングの進化が凄い

発売したてのMGXシータしかり、近年のAbuGarciaのスピニングリールは、「軽さ」にこだわり、ひと昔の自社リールと比較しても、ボディーの軽さだけでなく『巻き心地』における軽さも大きく進化してきました。

この進化の代表的なリールが、軽さが生む快適性能を究極的に追求し、2018年にハイエンド機種として誕生した『MGXtreme』

初めて触った時は驚異的な軽さに衝撃をうけましたね〜。

異次元の軽さと、いかにもメカらしいデザインなんかもトータル的に評価していただき、フレッシュウォーターからソルトウォーターまで幅広いジャンルのユーザー様に愛用していただいております。

最大の売りは、超軽量CMgローター(カーボンとマグネシウムで構成)の搭載により、ボディーを極限まで軽量化させたこと。

※自分が使用している2000番で160gととにかく軽い‼︎

MGXtremeが発売される前までAbuブランド最軽量機種だった旧MGXと比較しても、番手によってウエイトの差に開きはあるにしても、10g前後〜最大で20gほど軽量化された超レーシングスペックが誕生したわけです。

さらに、リールの自重だけでなく、ローターの軽量化をはかることで、回転の立ち上がりがクイックになったこともMGXtremeの武器。
MGXtremeとの違いは何ですか?

リーリングの軽さと滑らかさは違うのか?

横浜釣りフェスティバルで、MGXシータを触ってくださる方々との会話のなかで多かった質問。

『MGXtremeとの違いは何ですか?』

話を伺っていくと、質問には2パターンの意味があることがわかりました。

冒頭に書いた誤解とはこれにあたります。

もしかしたら、同じような疑問を持たれている方もいらっしゃるかもしれませんので、それぞれ分けて説明していきます。

MGXtremeに変わってMGXシータがハイエンド機種?

MGXtremeは廃盤でもありませんし、現行ハイエンド機種です。

現段階のスピニングリールのラインナップ構成としては・・・

MGXtreme>MGXシータ>ROCKET>ALXシータ(5月発売)>ロキサーニ>スーペリア・・・といったチャートになります。(価格帯順)

『MGXtreme』『MGX Θ シータ』どちらも軽さを推してるけど違いは?

横浜で一番多かったのがこの質問でした。

A.リーリングを快適にするための概念に違いがあります。

MGXtremeは冒頭に書いた通り、ラインローターに超軽量のCMgローター(カーボンとマグネシウムで構成)を採用し、ローターの軽量化をはかることで回転の立ち上がりを軽くし、静→動、動→静のレスポンスがクイック。(低慣性)

これに対して、MGXシータはパーツ(ローター)を軽くするのではなく、ギア内部に発生していた摩擦を大幅に軽減させることで、滑らかで軽い巻き感を生み出す。(フリクションフリー)更に、負荷がかかってもリーリングの軽い状態を維持できる。
MGXシータはパーツ(ローター)を軽くするのではなく、ギア内部に発生していた摩擦を大幅に軽減させる

手法は違えどハイテクノロジー

両者とも、『軽い』『クイック』などの似たような表現がされているため、分かりにくい部分もありますが、リーリング性能に求めた目的が違い、それをカタチにするための手法が違うということです。

※ちなみに、新製品MGXシータのラインローターはAbuGarcia独自開発のC6カーボンで構成されています。C6とは、カーボン繊維で強化されたエンジニアリングプラスチック素材で構成されていて、強度と耐久性を落とさずして軽量。CMgローターよりちょい重いけど十分に軽く強く創られています。

結局どちらが良いの?

ひととおり説明させていただき、理解をしていただいた末に、最後は『どっちが良いの?』という、公では非常に答えにくい質問が飛んでくるわけです(笑)

個人の意見としては『MGXシータ』に軍配です。

これは、新製品あるあるな営業トークと捉えられがちですが、自分のスタイルに置き換えて『リールに求める巻き感を総合的に比較するとMGXシータが使いやすい』と判断しました。

MGXtremeがダメと言う意味では全くなく、僕が使用してきて思う『MGXtreme』のイメージは、リーリングの立ち上がりや静止のキレ重視のリール。巻きはじめ〜止めのキレが良いので、例えばミノーなどのジャーキングやトゥイッチ、リーリングを変則的に使うスタイルの釣りには特にチカラを発揮できるかな?と。

もちろん、通常のライトリグをやる際でも、圧倒的なボディーの軽さは釣りの所作を楽にしてくれ、繊細な誘いやアプローチを後押ししてくれます。

なので、今後も状況に併せてMGXtremeを使用していきます。
AbuGarciaブランドにおけるスピニングリールの選択肢の幅が広がった

総括

とにもかくにも、AbuGarciaブランドにおけるスピニングリールの選択肢の幅が広がったことは間違いないありませんので、店頭で見かけた際は、是非ともAbuスピニングリールの様々な機種に触っていただき、ご自身のスタイルにピッタリの1台と出会っていただけたらと思います。

『CMgローターとフリクションフリー構造が融合したらやばいよね?』

そんな質問もいただきましたが、期待だけはタダなので、結果はさておきその時を待ちましょう(笑)
プロフィール白鳥稔一

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